唯一愛した君へ
きっとやばいよね?
この人は危ない人なんだよね?
恐い人…なんだよね?
これ以上一緒に居ちゃいけない。
……関わってはいけない。
わかってるんだけど―――
この人の笑顔を見ていると、そうはとても思えなくて…
差し延べてくれた傘があまりにも冷えていたあたしの心を温めてくれたから…
『………ぅ……り……』
『優梨?
ええ名前やんかッ』
榊原慎斗さんは嬉しそうに言った。
本当に小さい声だったのによく聞こえたな…。
『……ありがとうございます』
『なあ。さっきから固いで〜?
そーゆうの苦手やねん。せやからもっとフレンドリーに話そうや!』
フレンドリーって言われても…
初対面では無理だと思う。
それに………
鷹巳と同じような人だと思うと緊張が抜けない。