たまにはお伽話でも
野ネズミのお婆さん
「アンタ、モグラの旦那のプロポーズを断っちまったって、本当かい?」
おやゆび姫
「うん」
野
「どうして?
旦那は金持ちだよ?
セレブ妻になれるンだよ?」
お
「他人に乗っかってセレブとか…
もう、そーゆーのは懲り懲り」
野
「どういうコトだい?」
お
「私、誘拐されっパの流されっパで、翻弄されてここまできたじゃない?」
野
「あー… まぁ、そうね…」
お
「だからもう誰にも振り回されず、自分の力で生きていきたいの」
野
「そうは言っても、どうやって?」
お
「私、看護師になろうと思って」
野
「あぁ、だから最近、熱心にケガしたツバメの世話を…」
お
「そう。
女も手に職つけて、ガンガン社会進出する時代だしね」
野
「アンタ、小さいナリして案外強いコだねェ」
お
「強いワケじゃないわ。
強くありたいと思ってるだけ。
女って大抵そうじゃない?」