たまにはお伽話でも

ヘンゼル
「やっべ!コレやっべ!
本格的に捨てられちゃったよ!
でも、心配すンなよ、グレーテル。
俺が落した石を辿れば、家に帰れる」


グレーテル
「この、バカチンがぁぁぁ!!」



「ぎゃあぁぁぁ!!
なんで殴るの、金○先生ェェェ!?」



「お兄ちゃんがバカだから。
イイ?私たちは捨てられたの。
うっかり帰ったりしたら、次は殺されちゃうかも知れないわ」



「やっべ!そりゃやっべ!
どーしよ!?グレーテル!?」



「私に任せて。
ウチの経済状況が悪化しだした頃から、こうなるコトを想定して次の行き場所を確保しておいたの」



「やっべ!おま、まじすっげ!
ドコ?ドコ?」



「この森の中にあるお菓子屋さんよ。
住み込みで働かせてもらえるの。
老い先短いお婆さんが一人で切り盛りしてるから、いずれ店は私たちのモノになるわ」



「やっべ!おま、まじ怖ェ!
おまえなら、もしそのバーサンが悪い魔女で俺らを食おうとしてても、返り討ちにしちゃうンじゃね!?」



「それはそれで好都合」



「ハイ?」



「手っ取り早く店を乗っ取れるじゃない。
頑張ってお菓子作りを覚えなきゃ」



「…
おまえ、まじで怖ェな…」



「生存能力に溢れてると言って。
女って大抵そうじゃない?」

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