たまにはお伽話でも
ヘンゼル
「やっべ!コレやっべ!
本格的に捨てられちゃったよ!
でも、心配すンなよ、グレーテル。
俺が落した石を辿れば、家に帰れる」
グレーテル
「この、バカチンがぁぁぁ!!」
ヘ
「ぎゃあぁぁぁ!!
なんで殴るの、金○先生ェェェ!?」
グ
「お兄ちゃんがバカだから。
イイ?私たちは捨てられたの。
うっかり帰ったりしたら、次は殺されちゃうかも知れないわ」
ヘ
「やっべ!そりゃやっべ!
どーしよ!?グレーテル!?」
グ
「私に任せて。
ウチの経済状況が悪化しだした頃から、こうなるコトを想定して次の行き場所を確保しておいたの」
ヘ
「やっべ!おま、まじすっげ!
ドコ?ドコ?」
グ
「この森の中にあるお菓子屋さんよ。
住み込みで働かせてもらえるの。
老い先短いお婆さんが一人で切り盛りしてるから、いずれ店は私たちのモノになるわ」
ヘ
「やっべ!おま、まじ怖ェ!
おまえなら、もしそのバーサンが悪い魔女で俺らを食おうとしてても、返り討ちにしちゃうンじゃね!?」
グ
「それはそれで好都合」
ヘ
「ハイ?」
グ
「手っ取り早く店を乗っ取れるじゃない。
頑張ってお菓子作りを覚えなきゃ」
ヘ
「…
おまえ、まじで怖ェな…」
グ
「生存能力に溢れてると言って。
女って大抵そうじゃない?」