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そのときだった。

「私もそう思った!みんなつまんないよー?今年しかできないことやろうよ?」

実行委員の女子がそう言ったのだ。

そしてクラスメイトの表情はパッと明るくなり、再び周囲の人間と話し始めた。

木野はホッとひと息ついた。

勇気は彼女の尊敬すべき点の1つだ。

夏休みの事件で分かったように、私には勇気の欠片もない。

誰かに背中押されなきゃ動けないのだ。

しかし、彼女は自分がアリであることを知ったうえで訴えるのだ。

決してアリであることを見下している訳では無い。

私もアリなのだから。
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