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「あーかったりぃ。俺ら案出したし。もう帰るわ。」

1人の男子がそう言ったのだ。

確かに本来ならば帰宅してもいい時間だ。

しかし、こういうものはなるべく速く決めたほうがいいもので…

「待ってよ!まだ決まってないじゃん!」

実行委員が必死に止める。

しかし、それは無意味だった。

「だから案出したってば。カフェって。勝手に却下したのはお前らだろ?多数決もしないで、個人的な意見だけ入れて。だったらお前らだけでやってろよ。」

それも確かにそうだ。

カフェやお化け屋敷を嫌ったのは、私と木野と実行委員の女の子だけで、他の人はむしろ賛成していたくらいなのだから。

男子が帰ると、バラバラと他の生徒の席を立った。

「これって私のせいだよね…」

木野がボソッと言った。

「私は間違ってなかったと思うけど…うちらは1つの意見を言っただけで、こういう言い方は良くないけど私たちの意見を取り入れたのは実行委員だから。」

結局残ったのは私たち2人と実行委員2人だけだった。
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