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見慣れない道を歩く。

今原はシェアハウスから学校に行ったことがあるらしく、黙って横に並んでいた。

他の3人はどうしてるのか気になるが、あの3人は一応先輩だ。

高校に行くことで悩むことなんてないだろう。

何か話さないのか?と伺っていたとき、今原が口を開いた。

「綾瀬は…地元どこ…?」

「んー…ここからちょっと遠いところ。電車で一時間はかかるかな。」

「そっか…俺の実家はすぐ近くなんだよね。」

「ふーん。じゃあ、なんであそこに住んでんの?」

私は口にした後に思い出した。

望田の言葉を。

『ここに来た人にそれ聞いちゃダメだよね。』

私は発言を撤回しようとしたが、その前に

「普通にシェアハウスに住みたかったからだけど」

と言った。

「俺、前にドラマでシェアハウスの話を見てさー、そっから憧れちゃって。」

「そうなんだ。」

良かった。

聞いても大丈夫だった。

やはり疑問が浮かぶ。

望田は聞いちゃダメなんて言ったのだろう?

確かに高校生が親元を離れることは珍しいけど、理由は人それぞれだ。

それを聞きたくなるのは人間の本性だろうに。

私はそんなことを考えながら、今原と歩調を合わせる。

今原は冷たくなかった。

むしろ、今原は明るく、おちゃらけキャラに近いのかもしれない。

とにかく話しやすかった。

それが分かっただけで少しホッとした。
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