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「だからって笑うのは失礼だぞ」

倉谷は望田を注意する。

同い年ということもあって、倉谷と望田は仲が良さそうだ。

そんな光景を見慣れているかのように見る神無月。

今原と私は口出ししない。

それがここで上手くやっていく術だと知っているから。

「まぁそのへんにしろ」

こう言ったのは神無月だった。

もうちょっと愛想よくすればいいのに、と思った。

ただ、それが彼の個性というものなんだろう。

「ここでのルールを説明する。これを破ったら全員に500円を払うこと。」

「「えっ?」」

バカバカしくて、思わず声を出してしまった。

それは今原も同じだった。

「その反応は聞き飽きた。まぁいい。まずは年上の言うことは逆らわないこと。1年同士はどうでもいいが、2人とも俺らの言うことは絶対だ。ただ、パシリとかそういうのは除く。」

当たり前だろ。

パシリなんてされてたまるか。

「次に冷蔵庫とか棚は好きに使っていいが、自分の食べ物には名前を書くこと。名前を書いてないやつは食べられても文句は言うな。逆に書いてあって、それを食ったやつはルール違反とみなし、全員に500円だ。」

だから、その500円ルール何なの?

ツッコミどころ満載だったが、黙っておいた。

「洗濯、ゴミ出し、食器洗い、風呂掃除、廊下掃除、リビング掃除は当番制だ。当番の割り振りは全部陽南が書いてくれる。1日1つは絶対ある。2つあるときもあるがな。これもやらなかったやつは500円。」

どこにいっても500円ルール…

そんなに500円欲しいのかな?

「最後にこれは500円は例外だが」

これを言ったとき私は思わず唾をのんだ。

「ここにいるメンバーは家族同然だ。喧嘩して二週間以内に仲直りしないやつは出ていってもらう。雰囲気だけ仲直りもダメだ。そんなのはやめたほうがいい。俺がすぐ気付く。」

家族同然…

その言葉がとても嬉しいような、嫌いなような…

複雑な気持ちだった。

「まぁ、こんなもんか…じゃあ、部屋割り決めるぞ。」
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