Share Heart
「ただいまー!」

私たちがちょうど話し終えたころくらいに、みんなは帰ってきた。

「おかえり」

私はニッコリ笑ってみせた。

「花音は入らないの?」

「あっ…うん。今日はいいかな…なんかここで座ってるほうがいいや」

「そっか、楽しいのに」

座ってるのがいいのはきっと神無月がいるからだ。

そばにいたくなってしまった。

離れられなくなってしまった。

でも、焼けないようにしなきゃ。

私は再び日焼け止めを塗った。

「ちょっとくらい入ればいいのに」

隣でぼそっと神無月がそう言った。

「いいんです…悠紀さんの近くにいたいって思ったから」

やば…

言った自分が恥ずかしくて、気を紛らわすように日焼け止めを塗りまくった。

「やば…」

手のひらには大量の日焼け止め。

出しすぎちゃった…

なに動揺してんだよ!
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