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あっという間に日は暮れ、夕日が紅く街を染めているとき、私たちは電車に揺られていた。
結局、私は1度も水に浸かることなく、帰ることになったが後悔はちっともしていない。
5時の閉園ギリギリまで遊んでいたみんなは爆睡で、行きにあれだけうるさかったのが嘘みたいだ。
神無月もスヤスヤと寝ていた。
だが私は寝る気にはなれなかった。
疲れてないし、寝る理由もない。
それに私まで寝たら終点まで行きそうな気がした。
ふと窓の外を見る。
夕日…綺麗だな…
今日の天気が凄く良かったから見ることができた。
みんなと遊びに行ったから見ることができた。
たくさんの"できた"が重なって出来上がる新たな"できた"。
それがちょっと嬉しかった。
そのとき、耳元で声がした。
「綺麗だな」
今原が起きたようだ。
「うん…すっごい綺麗…」
私はうっとりしながらそう返した。
「あのさ…1つ聞いてもいいか?」
私は景色から今原に目を移す。
「なに?」
「陽南さんって彼氏いるのか?」
「えっ?それって…」
「俺、陽南さんが好きなんだ。」
薄々気づいていた。
だから、驚きも少なかった。
「前から大人っぽい女の人がタイプだったんだ。陽南さんは明るくてなおかつ大人っぽくて。太陽みたいな人なんだ、俺にとって。」
望田はそういうタイプだし、男を寄せつける魅力も持ってる。
惚れる人が身近にいてもおかしくはない。
でも…
「それで…陽南さんに彼氏がいるならそれなりの心構えが必要かなって思ったんだけど…知ってるか?」
「…知らない」
「えっ?」
「私は知らないよ。ほら、はるちゃんって自分から恋のこと話したりしないから。気になるなら思い切って告っちゃえばいいじゃん!」
ごめん…
言えなかった。
望田が倉谷のことが好きだなんて…
こんなにも近くで三角関係がばっちり出来ちゃってるんだもん。
今原に失恋してほしいなんてこれっぽっちも思ってない。
でも、望田がこれまで必死に隠してきた想いをあっさりと言うわけにはいかなかった。
それに平等でなくなってしまう気がした。
恋愛は平等でなければいけない、なんて法則はないけれど、私は真ん中にいたかった。
そして、関係が壊れることを拒んだ。
結局、私は1度も水に浸かることなく、帰ることになったが後悔はちっともしていない。
5時の閉園ギリギリまで遊んでいたみんなは爆睡で、行きにあれだけうるさかったのが嘘みたいだ。
神無月もスヤスヤと寝ていた。
だが私は寝る気にはなれなかった。
疲れてないし、寝る理由もない。
それに私まで寝たら終点まで行きそうな気がした。
ふと窓の外を見る。
夕日…綺麗だな…
今日の天気が凄く良かったから見ることができた。
みんなと遊びに行ったから見ることができた。
たくさんの"できた"が重なって出来上がる新たな"できた"。
それがちょっと嬉しかった。
そのとき、耳元で声がした。
「綺麗だな」
今原が起きたようだ。
「うん…すっごい綺麗…」
私はうっとりしながらそう返した。
「あのさ…1つ聞いてもいいか?」
私は景色から今原に目を移す。
「なに?」
「陽南さんって彼氏いるのか?」
「えっ?それって…」
「俺、陽南さんが好きなんだ。」
薄々気づいていた。
だから、驚きも少なかった。
「前から大人っぽい女の人がタイプだったんだ。陽南さんは明るくてなおかつ大人っぽくて。太陽みたいな人なんだ、俺にとって。」
望田はそういうタイプだし、男を寄せつける魅力も持ってる。
惚れる人が身近にいてもおかしくはない。
でも…
「それで…陽南さんに彼氏がいるならそれなりの心構えが必要かなって思ったんだけど…知ってるか?」
「…知らない」
「えっ?」
「私は知らないよ。ほら、はるちゃんって自分から恋のこと話したりしないから。気になるなら思い切って告っちゃえばいいじゃん!」
ごめん…
言えなかった。
望田が倉谷のことが好きだなんて…
こんなにも近くで三角関係がばっちり出来ちゃってるんだもん。
今原に失恋してほしいなんてこれっぽっちも思ってない。
でも、望田がこれまで必死に隠してきた想いをあっさりと言うわけにはいかなかった。
それに平等でなくなってしまう気がした。
恋愛は平等でなければいけない、なんて法則はないけれど、私は真ん中にいたかった。
そして、関係が壊れることを拒んだ。