Share Heart
「…行ってきます。」

見送りは神無月以外の3人がしてくれた。

あの言い合いをしてからというもの、神無月とはまともな会話をせずにいた。

心ではこのままではいけないと思っているが、言葉にできないのが現状だ。

「行ってらっしゃい。」

「何かあったらすぐ連絡してね!」

「満足するまで戦えよ。」

みんな、応援してくれた。

帰ってこられる場所があるって、どれだけ幸せなことなんだろう。

掴んだものは離さない。

このシェアハウスに戻ってくる。

きちんと自分が満足できたら。

それをいかに速くできるかが今回の課題なのだ。


私はドアを開き、外の世界へ飛び出した。

私は籠から出られない鳥じゃない。

自由に羽ばたける鳥だ。








「悠紀…なんでちゃんと見送らないのよ。悠紀が1番心配してんじゃない。」

「いいんだよ。今はここでも。」

どんな風に思われても構わない。

「花音の力に…背中を押してやることが出来たなら俺は日陰でもいいんだよ。」
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