Share Heart
顔は見えない。

でも、悔しいだろう。

ずっと自分の言いようにしてきた娘に裏切られるんだから。

私は心の中でくすっと笑った。

無様だなぁ。

美音も蔑むような目で母を見ていた。

そのときだった。

大広間のドアが開けられたのだ。

もちろん、そこにいたのはキリッとスーツを着た父だった。
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