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私は父に背を向け、私の部屋だったところへと向かった。

そのままなのか、片付けられてるかは知らない。

でも、あのころ唯一私が私でいられる、落ち着ける場所だったところを求めていた。

父にあれだけ言えただけでかなり成長したと思う。

昔は言えないストレスを発散する場所がなくて困っていたものだ。

だからといって形勢はまだ変わっていない。

今は私が無理やり押し切っているだけで、了承を得たわけではないからだ。

あまり長くいるわけにもいかないし、いたくもない。

はやく決着をつけなきゃ。






私の部屋はそのままだった。

本当に中学生にはもったいない部屋だ、と今更ながら思った。

ダブルベッドが置かれ、英語のリスニングのためだけに買った大きなスピーカー。

しかし、テレビやゲーム機などはもちろんない。

母はそういったものを全て禁じた。

友だちの家に遊びに行ってもゲーム機はなかった。

私が1番最初にゲームをしたのは高校生になり、スマホを持ったときだった。

正直、勉強しろとさんざん言われたが、よっぽどパソコンやスマホの使い方を知っていたほうが社会で役に立つと思う。

でも、それは今の社会では当たり前のことなのだ。

知らないのは一部のバカだけ。

そのバカは私だ。

つまりは母の教育方法は間違っていたのだ。

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