☆腹黒王子に溺愛された悪女★
突然、滝川が私に問う。
分かってるに決まってる。
わざわざ聞こえるように悪女呼ばわりされれば、鈍感な女にだって分かるわよ。
性格の悪さ、
それは私が1番知ってるし。
「それ、私に何て言わせたいの?」
「いや、分かってない気がして」
フッと笑う滝川に少しイラッとする。
「...馬鹿にしてんの?」
「そうだよ」
「な...!」
ニッコリ笑った滝川からは
なんとも言えない黒いオーラが漂ってる。
そうだよって!
握りこぶしを作って、
いつ殴ろうかと理性と相談する。
「櫻井さんはさ、」
「まだ言うか!」
「ドが付く鈍感だね」
「.....は?」
鈍感にドを付けたらド鈍感。
ド鈍感って、
言葉として成り立つ?
困惑していると、
滝川は女に問う。
「ねぇ、教えてあげなよ」
「でも...」
「ほら」
......なにが?
2人のやり取りが実に違和感だらけ。
「櫻井さんは、」
女がゆっくり、嫌々、喋りだす。
「悪女って呼ばれてて、東の闇です。滝川くんは王子様で、西の光なんです。正反対なんです。それが1つの理由で、」
東の闇って
そーゆう事か。
「滝川くんの、好きな人...で有名です」
........は?