☆腹黒王子に溺愛された悪女★
2、悪女vs
「説明、下手すぎ」
授業中の教室に、私のドスの効いた声が響いた。
歴史上のとある人物の生い立ちを、細かく教えてくれてる教師。
でもヘタクソすぎて全然頭の中に入ってこない。
学年上位の成績である私がそう思うんだから、他の人達だって思ってるはず。
先生はアタフタして謝っている。
「生い立ちはどうでも良いからテスト範囲教えてよ」
「それは、まだ、あの、」
「融通が利かないなぁ」
使えない奴。
こんなんじゃ平均下がるんじゃないの?
大きく溜息を吐いて教科書を閉じた。
無駄。
こんな授業聞くより、帰って自分で勉強した方が捗るわ。
ほんと歪んでるなーと思うけど、
事実だもの。
「柚香ちゃんすごいねー!」
「あたしは言えなかったよぉ、しかも焦りすぎて間違えてたよね、あの先生」
「そうそう!うけたー!」
.........どういう事だろう。
チャイムが鳴って、すぐ私の周りに女子達が集まってきた。そして始まる騒ぎ。
なにがどうなって、こんな事になるのか分からなくて、話に追いつかない。