☆腹黒王子に溺愛された悪女★
佐々木さんは次の授業に備えて、教科書とノートを机の中から取り出して、パラパラとページを捲っていた。
クラス1の真面目キャラで、成績は常に学年トップ10に居座っている。
そーゆう私もだけど。
「佐々木さん、友達いる?」
「櫻井さんと同じであまり。」
「誰かと一緒に居る所を見た事が無いわ」
「それも櫻井さんと同じです」
「なんか腹立つなぁ」
「お互いに」
.....なんか冷めてる?
会話にはなってるんだけど...
トゲトゲしい。
...どういう事?
「なんか素っ気なくない?今日」
「別に」
「はぁ?言いたい事あんなら言いなよ」
「......では、」
佐々木さんはギッと私を睨みつけ、
「滝川くんを振るなんて、何様のつもりですか!」
今までに聞いた事のないような大きな声で、そう言った。
「........え、振る?」
何言ってんの、この子。
私が滝川を振る?
いつ?
は?
「あちこち、そんな話で持ちきりですよ」
「え、意味分かんないんだけど」
「さっき櫻井さんの周りに居た子達は、滝川くんがやっと櫻井さんを諦めたと思って、あんな...」
「........まじで?」
佐々木さんは、はいと返事した。
もう...どこをどう突っ込めば良いのか。
「私、振るも何も...」
呟いた言葉を途中で止め、
教室を出た。
向かうは1組。
考えられる事は一つしかない。
また人を利用してんじゃないの?
奴を懲らしめてやるッ!!