☆腹黒王子に溺愛された悪女★
なに笑ってんだよ、変態野郎。
普段なら絶対に言い返している。
でも、それが出来なかった。
.....なんでそんな嬉しそうなのよ。
柄にもなく、私は言葉を失った。
それに気づいたのか、
体はゆっくり離れて、滝川は私にトドメを刺す。
「可愛い。...大好き」
「.........っ.....!」
心を打たれた訳じゃない。
ただ、
言われ慣れてないだけ...。
可愛いなんて1度も言われた事ないし、
ましてや利用してるだけのくせに大好きなんて...嘘つきよ。
コイツはとてつもない悪党だ。
なぜか落ち着かない心臓をどうしろって言う訳?何か言ってやりたいのに開かない口をどうしろって言うの。
滝川は私の頭をポンと叩いて、
何事も無かったかのように教室から出て行った。
.......変な奴。