☆腹黒王子に溺愛された悪女★
週末を挟んだ登校日。
今日はいつになく足が重い。
最近、良い出来事なんて無い。
むしろ日頃の行いが悪すぎたのか、学校生活が地獄と化している。
今日はどんな事が起こるんだろう...
どうか何事もなく帰れますように!
ーーーーその願いは虚しく、
下駄箱にソイツは居た。
「櫻井 柚香!話があるわ!」
1組のアヤちゃん。
...と、そのゆかいな仲間たち。
腕を組んで往生立ちしている。
もうその様子で先が見えてしまったよ。ハァーと深い溜息を吐いて、素通りした。
「ちょっと櫻井さん!?」
「追いかけてこないでよ」
「止まりなさいよ!なんのつもりよ!」
「なんのつもりって...私のセリフよ馬鹿!」
ズガズガと足を進めていった途中で、
腕を引っ張られて足を止めた。
「触らないでくれる!?」
「それはコッチのセリフでもあるわ!直樹に触らないでよ、その汚い手で!」
「汚い手〜?」
両手を見れば十分綺麗だ。
きっと、性格の悪さを汚れと表現したんだ。
「残念ね、私じゃなくてアッチから触ってくるのよ!てかさ、そんなに仲良いなら触るなって言っておいてくんない!?」
「な.......ッ!」