☆腹黒王子に溺愛された悪女★
後ろから突然聞こえた声に驚き、変な声が出てしまった。
振り向かなくても誰だか分かる。
「............」
「あれ、無視?」
そう。無視!
でもそれは貫き通せる訳もなく、
不思議そうな顔をして視界に入ってきた。
汗で濡れた前髪
こいつ、汗かくんだ...。
いつも爽やかな顔してるから
そーゆうのは無縁かと思っていた。
「バスケ...いつからやってんの」
「え?いつって、小学生んときから?」
「いや、そういう意味じゃなくて」
「............?」
駄目だ、何も伝わってない。
聞かなくたって何となく分かった。
ずーっとやってたに違いない。
私が気付かなかっただけで。
「櫻井さん?...あ!そうだ」
「な、何よ急に!」
「もう知らない仲じゃないんだし、下の名前で呼ぼうよ!」
「はーぁ?」