☆腹黒王子に溺愛された悪女★


後ろから突然聞こえた声に驚き、変な声が出てしまった。
振り向かなくても誰だか分かる。


「............」

「あれ、無視?」


そう。無視!


でもそれは貫き通せる訳もなく、
不思議そうな顔をして視界に入ってきた。

汗で濡れた前髪

こいつ、汗かくんだ...。

いつも爽やかな顔してるから
そーゆうのは無縁かと思っていた。


「バスケ...いつからやってんの」

「え?いつって、小学生んときから?」

「いや、そういう意味じゃなくて」

「............?」


駄目だ、何も伝わってない。
聞かなくたって何となく分かった。
ずーっとやってたに違いない。

私が気付かなかっただけで。


「櫻井さん?...あ!そうだ」

「な、何よ急に!」

「もう知らない仲じゃないんだし、下の名前で呼ぼうよ!」

「はーぁ?」


< 41 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop