☆腹黒王子に溺愛された悪女★
「僕のこと、直樹って呼んで」
にっこり笑って言うコイツは
きっと同じように他の女子にも言ってると思う。
てかバスケの途中でこっちに来ちゃって大丈夫なんだろうか...?気になって見てみると、他の男子たちは構わずに滝川抜きで続けていた。
「おーい、無視ですか?」
「...そもそも、そんな親しくない」
「親しくなくても良いじゃん?名前で呼び合うだけで親しく感じるじゃん」
「...............」
.......あー。
分かった。
滝川の企みが分かった。
親しく見えれば良いんだ、要するに。
女避けのために、
また私を利用しようって?
ふざけんなっつーの。
「却下。アンタなんか苗字に呼び捨てで充分よ」
「へぇー!ヒドイねぇ!」
「ヒドイ?どっちが。」
「じゃあさ、もしかして」
滝川は至って真面目に言う。
「抱かれてる時も俺のこと滝川って呼ぶの?」
........?
「...誰に抱かれてる時に?」
「俺だってば」