☆腹黒王子に溺愛された悪女★
4、プライド
。。。。。。。。。。。
「今なんて言ったか聞いてんのよ」
放課後の教室で向かい合う、私と女子A。
Aの両隣にはBとCも居る。
私はと言うと
腕を組んで往生立ち。
いつもだったら聞き流してる悪口が、何故だか今日は癪(しゃく)に触った。
「えっと...体育館でイチャつくのはどうかと...思うって...」
「誰がいつ!イチャついてたって?」
「...昼休みに櫻井さんと直樹くんが...」
「が、なに」
「...ッ...キスしてたって話、広がってて」
「してないから!」
怯える3人。
私、何をこんなに...イラついてるんだろう。
あの男にプライドをズタズタにされ、心に余裕が無い。全てが滝川のせいだ。
考えれば考える程に鬱憤が溜まっていく。
「さ、櫻井さんは変だよっ!」
居た堪れなくなった1人が口走る。
同時に睨みつけると、ビクッと肩が飛び跳ねた。
「変...?ねぇ、それってさ誰と比較して言ってる訳?」
「...え」
「みんなと同じように滝川を好きになれないから?性格が悪いから?アンタたちみたいに誰かと連んで悪口言わないから?」
「.....ッ」
ふざけんなっつーの。
私からしたらアンタたちの方が変だって。
王子だの悪女だの、光だの闇だの、ゲームかっつーの!
「あらら〜」
緊迫した空気の中で
なんとも呑気な声が響いた。
「うちの彼女さんは気が強いったらないね〜」