☆腹黒王子に溺愛された悪女★
責められてるにも関わらず、それを受け止めないとは一体どんだけ黒いんだ!
.....って、言葉には出来なかった。
「ちゃんと、君を見てくれてる友達がいて良かったよ」
私に向けたその柔らかい笑顔に
黒さなんてなくて、
不意に胸の奥を締め付けた。
「ずっと気になってたんだ、友達の事。どんな子だろうって。安心したよ、しっかりしてて」
佐々木さんは呆然としている。
私もそう。
けど...便乗じゃないけど佐々木さんの発言には驚いた。私の味方をしてくれたのは彼女が初めてだから。
...友達...
なんて良い響きなんだろう。
滝川は満足そうに笑ってるけど、なんでアンタが満足してんのよ...?
「あ、好きなら守るべきでは?って言われたけど、彼女からSOSが無い限り助ける気は無いよ」
..........は?
「け、結構です!アンタのせいなのになんでアンタに助けを求めるのよ!?」
「またまたぁ〜」
「はぁ??」
「もっかいデレになってごらん?」
滝川は両手を広げた。
「馬鹿じゃないの!?もう帰る!」
腕の中でデレっとする訳ないでしょ!?
遊びすぎだから!
そんな滝川を無視して、
同じく帰る途中だった佐々木さんの手を引っ張って教室を出た。
なんとなく...佐々木さんを残して行きたくなかっただけ。
「さ、櫻井さん!私滝川くんに酷い事を...ッ」
「大丈夫だよ、あんなの」
今更後悔する姿に笑った。