☆腹黒王子に溺愛された悪女★



責められてるにも関わらず、それを受け止めないとは一体どんだけ黒いんだ!
.....って、言葉には出来なかった。


「ちゃんと、君を見てくれてる友達がいて良かったよ」


私に向けたその柔らかい笑顔に
黒さなんてなくて、

不意に胸の奥を締め付けた。


「ずっと気になってたんだ、友達の事。どんな子だろうって。安心したよ、しっかりしてて」


佐々木さんは呆然としている。
私もそう。

けど...便乗じゃないけど佐々木さんの発言には驚いた。私の味方をしてくれたのは彼女が初めてだから。

...友達...

なんて良い響きなんだろう。

滝川は満足そうに笑ってるけど、なんでアンタが満足してんのよ...?


「あ、好きなら守るべきでは?って言われたけど、彼女からSOSが無い限り助ける気は無いよ」


..........は?


「け、結構です!アンタのせいなのになんでアンタに助けを求めるのよ!?」

「またまたぁ〜」

「はぁ??」

「もっかいデレになってごらん?」


滝川は両手を広げた。


「馬鹿じゃないの!?もう帰る!」


腕の中でデレっとする訳ないでしょ!?
遊びすぎだから!

そんな滝川を無視して、



同じく帰る途中だった佐々木さんの手を引っ張って教室を出た。

なんとなく...佐々木さんを残して行きたくなかっただけ。


「さ、櫻井さん!私滝川くんに酷い事を...ッ」

「大丈夫だよ、あんなの」


今更後悔する姿に笑った。




< 53 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop