☆腹黒王子に溺愛された悪女★
「私の昼ごはん...」
いや、それは食後のパンだ。
本当はお腹いっぱい。
けど罪悪感を与えて謝られたい私は、残念そうに呟く。
「しかもレアなパン...」
「ほんっと申し訳ない!!」
「自分の身を守るために他人を巻き添えにして...」
「櫻井さんッ!」
「なんでしょう」
「僕は1組の滝川 直樹。知ってるでしょ?」
.......は?
「知らない」
「えー!?」
「誰。有名人?」
「いや、まじ...?」
コクリと頷くと、がっかりした顔でしゃがむ男、滝川。
そんなに有名なのか...
「僕は櫻井さんの事を知ってるよ」
「悪女って?」
「うん。まぁそんな事はどうでも良いんだけど、弁償するから!だから名乗ったの」
「...そう」