ビオラ、すずらん、年下の君
「ガルルル…!とかポメラニアンが犬歯剥き出しにして威嚇してきたんだよ。
もうびびった。てっきり怯えたりするのかな、脅かしちゃいけないな、とか思ってたから予想外の展開」
聡太君がポメラニアンのガルルル…を顔でやってみせて、それがとても可愛くって。聡太君の歯並びはすごくいい。
あ、発見。犬歯が大き目!
……なんてそんなことばかり考えてる私…苦笑。
「…で、聡太君、どうしたの?」
「腹減ってイライラしてるのかな?って思ってサンドウイッチ投げてやったんだよ。そしたらさ、和香子、どうなったと思う?」
いきなりクイズ形式ですか…
「えー、わかんないけど、喜んでサンドウイッチ食べたんじゃ?」
「チッチ、違うって。
エサには目もくれず、ギャンギャン吠え出したんだよ。まるで領地に入ってくる敵、絶対許すまじって勢いで。
でも、腹は減ってるらしくてヨダレだらっだら。奴はサムライだったんだよ」
「サ、サムライ⁈」
「余計な情けかけられたくないんだよ。見た目は可愛くても、内面はタフなんだ。噛み付かんばかりの気迫に押されて車に逃げ帰ったよ 」
フォーク持ったまま、曲げた腕を前後に振る仕草。こんな風に時々剽軽になるとこが聡太君の魅力だ。