ビオラ、すずらん、年下の君
「私、涼子のこと大好きだから……
高校入ってなじめなくて、ぼっちで保健室の常連だったのに、学級委員だった涼子が優しくしてくれて、ラインも教えてくれて、少しずつ私をクラスの輪の中に入れてくれたの。
涼子がいなかったら、私…今頃高校辞めて死んじゃってたかも。
私、涼子の力になりたい。涼子が吉田君と両思いになれるように応援したい……
涼子に…幸せになって欲しいから…」
あずみちゃんは、だんだん涙声になってきた。
きっと、気の強い女の子を演じていたんだ……あなたの気持ちはすごく素敵だと思うけど、その行動力は別に生かした方が良いかもね?
「聡太君、いい子だよね。私があと5歳位若かったら、彼女候補になりたいって思うんだけどな、」
ここまで言った時。
グイッとリードが強い力で引かれ、私はよろけそうになった。
カツオとのナイスツウミーツーが終わり、ここら辺を仕切る?鈴蘭はまた改めて任務を遂行するべく、散歩を続ける意向。
「やだもう鈴蘭…じゃ、ごめんなさい」
私は軽く手を振った。
鈴蘭の歩調は強く、慌ただしくその場を離れた。