ビオラ、すずらん、年下の君


「…あ、でも友達に言われたことあるか。人は見かけによらないねって」

演技だったんだね。すぐにいつもの笑顔。

「…でしょお?」


クスクス笑いながら、ちらっと脳裏に考えが浮かぶ。
友達って、女の子?もしかして、彼女。


「和香子は?子供好き?」


「うーん、普通かなあ?実はあんまり免疫なくて。友達でも子供生んだ子もいないし。私の友達、キャリアウーマンが多いの。うだつが上がらないのは私だけ」


「うだつって…」

ははは、と楽しそうに聡太君は笑った。


「でも、俺、子供よか動物のが好きかな。埼玉の実家ではラブラドールとミニチュアダックス、猫3匹とグッピー買ってたよ。今は親戚の叔母さんに預けてる」


「えーすごい。うちより多いじゃん!」

ペット構成、うちと似てる。嬉しい。


「俺がさ、ひとりっ子だから親がどんどん増やしたんだよね。1匹飼ったら、1匹じゃやっぱり淋しいから、もう1匹って感じで。俺にとってはペットが兄弟と同じだし、いるのが当たり前って感覚。

高1からおばあちゃんちにくる前までずっとペットショップでバイトしてた。
土日だけだけど、すげえ楽しかった。
スタッフもいい人ばっかで。もちろん、生き物相手だから大変な時もあるけど」




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