ビオラ、すずらん、年下の君

そっかあ…残念。私も中2の頃、飼ってたミニプードルが死んじゃった時、わあわあ泣いちゃった…

ものすごく警戒心が強くて吠える子だったんだけど、家族には甘えん坊のいい子だったんだ…
ペットロスって本当辛いよね。時間が解決してくれるのを待つしかないんだけどさ…」


語りながら、私の目は亡き愛犬との思い出より、写真の中の白と茶のコリーより、元気そうな幼い男の子に釘付けになる。顔はあんまり変わってない。いかにも賢そうな子供だな。


「春頃かな。ハッピーが夢に出てきたんだ。ちょうど、俺がお婆ちゃんの家で暮らすようになったころ」


「へえー懐かしかったでしょ?」


「うん。ガチで嬉しかった。犬用のリードを持ってきてさ、散歩に連れていけってせがまれる夢。目覚めたら懐かしくて、なんか泣けてきた。

あの時、病気に早く気付いてあげていれば、もう少し長生き出来たのにってシミジミ考えているうちに…

あ、そうだ、俺が獣医になるっていう手もあるなって考え付いて。日毎にその想いが気持ちが強くなってきて」


「獣医なんてすごいね!聡太君頭良いから…」






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