ビオラ、すずらん、年下の君
We're your friends
「え…?」
「正直に言ったら、俺が傷付いて受験にも響くかもしれないって思ってるのかもしれないけど、むしろ逆。
良くても悪くても、早く返事が聞きたい」
やや早口で言うと、聡太君は右の唇の端だけ引き上げて、皮肉っぽく笑った。
「俺のこと、年下の男としか見れないんだろ?そうなんだろ?」
ふっと私の方を見る。疲れ目なのか少し目がとろんとしてる。流し目っぽい…
前髪が一筋、パラリと垂れて、うわ、カワイイ…アイドルのグラビアみたいだよ。
「駄目なら駄目で、さっぱりきっぱりした方が勉強に集中出来るんだけど?」
聡太君が背中を押してくれた気がした。
言いにくいことだと思っていたけど、私の口からは割りと自然に言葉が出てきた。
「うん…実はね」
「うん」
聡太君が首を傾げる。その目は少し潤んでて。どんなことでも受け止める覚悟がある、と告げていた。