ビオラ、すずらん、年下の君
「辛い?俺はゼッテー浮気しないよ。彼女がいたら一筋。よそ見なんかしないし、相手にもそうであって欲しい」
黒曜石みたいな瞳がまっすぐに私に向けられた。その純真な輝きに我を忘れて思わず見とれちゃいそうになる。ショーケースにいれて飾っておきたいくらい。
…でも、ここは魔法にかからないように細心の注意を。
「誰だって俺は浮気するって言わないよ。てゆうか、浮気するとかしないとかじゃなく、何にもなくてもいろいろ想像しちゃって辛くなるってこと。
年下と付き合ったことないからよくわかんないけど、やっぱり同世代とかの方がいいのかなあとか考えちゃって落ち込んだりとかしそう。
自分に自信が持てないのかいけないんだ、とか考えてグルグル悩みそうだし」
嘘。年齢差なんかどうでもいい。
多分聡太君が高校生じゃないなら。
出逢うのがあと5年遅ければ。
1人の男として見れると思う。結婚とかも…
「自信持てばいいのに。和香子は素敵だ。優しいし、カワイイ。年上の魅力があるよ」
素敵とかカワイイとか魅力だなんて!そんなことさらりと口に出さないでよ!
超嬉しいけど…私は照れ隠しに軽く聡太君を睨んだ。