ビオラ、すずらん、年下の君
「もう、からかうのはやめて。
…ああ、なんか暑いな。お味噌汁飲んだせいかな」
なんか身体の奥が火照って…耳まで赤くなっちゃう。
聡太君がはああっ、と長いため息を吐いた。
「話そらしちゃって…そっかあ、どうしても俺じゃ駄目ってことか」
「駄目とかじゃないよ。私がもっと遅く生まれてたら良かったのに。そしたら聡太君と青春しちゃうのに」
私は戯けた感じで手のひらをひらひらと振った。こういう動作をしていないとなんか落ち着かなくて。
なんか気の利いたこと言わなくちゃってちょっと焦ってしまう。
「もういいよ…慰めてくれなくても…」
頭を下げて落ち込む聡太君。
少し茶色がかったキレイなストレートの髪が顔を隠している。
ハッキリさせて欲しいって言ったのは聡太君じゃん…
再起不能なまでに落ち込んじゃったかな?
「ごめんね。聡太君と恋人同士にはなれない…でも、男と女の関係にはなれるけど、」
ここまで言って私はハッとした。口を滑らせてしまったことに気付いたから。これじゃまるでセフレにはなれるよ、って言ってるみたいじゃない!
聡太君がぱっと顔をあげて、目を見開いた。