ビオラ、すずらん、年下の君
聡太君の18歳の誕生日の2日前が、羽田さんの36歳の誕生日だった。


ちょうど倍じゃん。

ぶっちゃけ、もう2年も恋に縁がない私。
前の職場はおじさんばかりだったし、元々恋愛体質じゃないし。


地元の友達や愛鳥オカメインコのビオラと遊んだり、アクセサリーやミニチュアの食玩作りとかハンドメイドやってれば、充分幸せ。


そんな私が2人の男の為にプレゼントを用意している。
(本当は彼氏にプレゼント選んであげられればいいのにね)


手作りのものをあげるのは、人によって重く感じるらしいのでやめておいた。
あーでもない、こーでもないと悩んで悩んで決めたのは…


聡太君には、ナイキのタオルマフラー。
羽田さんには、地味めな靴下3足セット。
う~ん、お中元かいっ
てくらい無難なセレクトだけど、2人の好みが分からないし、これなら趣味に合わなくても使ってもらえそうだし。
あまり高価なものだと、引かれそうだし。

「お、佐原さん、おはよ」


私がいつも通りの時間にタイムカードを押すと、事務所の片隅にある小キッチンでインスタントコーヒーを淹れていた羽田さんが後ろから声を掛けてきた。




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