ビオラ、すずらん、年下の君


ハルマくん……やっぱ人懐こいみたいだ。こんな年上の女とコミニュケーションとろうだなんて。


ああ、それにしても、高校生のイケメン君と同伴出勤なんて……


刺激的すぎる。


バスが揺れる度に、肩と肩がぶつかる。ハルマくんの重みを感じる。

今日の運転士は結構、ブレーキが乱暴で。

君はスリムだけど、身体がぎゅっと密着するよ。左腕が熱くなってくるよ。


「ところで、それ、全治何週間なの?」


「イヤ。ホントはもう平気っす。しろって言われたから、してるだけで」


男の子っぽい言い方に、私は吹き出してしまった。


ハルマくんが恥ずかしそうに私を見る。
彼の瞳に私が写ってる。


心がふわふわと軽くなる。


逞しいけれど、しなやかな皮膚のハルマくんの腕には、うっすらと産毛が生えていて。
私の半袖の腕と触れ合いそうになる。

ああもう、意識し過ぎて頭おかしくなりそう。話題、話題っと!


「腕、怪我しても、朝早く行くんだ。朝練出来ないでしょ?」


「そうなんすけど、習慣なんで」


「見学するの?」


「しないっすよ、ホペイロします。マネージャーの子、辞めちゃったし」


ホペイロって知ってる。用具係のことだよね?






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