ビオラ、すずらん、年下の君

その中でも聡太君のかっこよさはダントツ。背が高いし、とにかく顔が小さいんだ。

彼らは、中学からの仲良しだという。


お祭り囃子でアドレナリン全開の4人の男子は、金魚すくいや射的やりんご飴ではしゃぎまくる。

そのテンションの高さったら!私は彼らのやること、なすこと発言が面白くて可笑しくて、ずっと笑っぱなし。


どうでもよいことを広げて延ばして、
ギャグにしちゃうんだから、最高に楽しいメンバーだ。

これって逆ハーレムじゃん!


「和香子さん、食う?」


お店の人とのじゃんけんで勝ち、りんご飴を2つゲットした聡太君は、私に大きいルビーみたいなそれをひとつくれた。


「ありがとう。りんご飴大好き」


「浴衣にりんご飴…いいなあ」


キラキラの黒い瞳で聡太君が珍しく私をからかう。


(聡太君、昼間会った時とは違うTシャツだ。一度家に帰って着替えたんだ…)


私はいつの間に聡太君をじっと見つめていて、聡太君と視線が絡み合った。
聡太君がにっこりとする。

私も笑い返す。


「和香子さん、浴衣、最高カワイイ」


照れながら言ったあと、聡太君はくるりと身体の向きを変えた。金魚すくいをやると騒いでる友達の中に入っていく。


「俺、去年20匹とったんだぜ」ポイ片手に勇んでいる。


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