ビオラ、すずらん、年下の君
年下の君とまさかの同居!
「えっ…?」
「きゃっ!和香子ったら、なんて格好なの!服くらいちゃんと着なさい!」
お母さんが、真っ赤な顔して騒ぎ出した。
私はその場に、棒立ちになった。
食卓には夕飯が並んでいて、それを食べていたのは……若い男の子。
「…こんばんわ」
ぺこりと頭を下げたのは、
な、なんと吉田聡太君だった!
聡太君は驚いたように目を見開いていたけれど、「お邪魔しています」と礼儀正しく言った。
「あ、あ、いえ、どういたしまして…ってなんでここにいるの?」
ドアで半分身体を隠して、私は訊いた。これ、夢?私、どうかしちゃったの?
「これ!いいから何か着て!」
お母さんがそばにあった白い割烹着を私にほうり投げた。
下着に直接割烹着って…
なんかマニアックだな。でもこの際贅沢言ってられない。
この場をなんとかしなくちゃ。
「ご、ごめんね、聡太君!変なもの見せちゃって…」
赤面しつつ、私は急いで割烹着を着た。首の後ろはボタン、腰の後ろは蝶々結びにして、なんとかセミヌード状態は隠せた。
後ろ姿はすごいことになってるから、絶対見せられない。
「いや、別に気にしないから…」
あくまでクールな聡太君なのだった。