ビオラ、すずらん、年下の君


途中でおもむろに、麦茶を私の分まで注ぎ足してくれた。さりげない気遣い。


とりあえず、ここはパスタを食べることに集中しよう…そして、せっかく2人きりなんだもん。楽しい食事にしなきゃ。


そう考えた私はデザートの牛乳プリンを食べながら、
「聡太君、ヨウムって好き?」
とよーちゃんの話を切り出した。


聡太君が動物好きなのは知ってる。地元のペットショップでアルバイトしていたくらいだもの。

案の定、聡太君はよーちゃんの話をとても面白がってくれた。

話題は聡太君の番になって。


「……俺、昔、野良ポメラニアンに遭遇したことあるよ」


木のサラダボウルの水菜をフォークで突きながら聡太君が言った。

食べながらなので、少し上目遣いになってる…透明感のある茶色かがった瞳。どきん、と私の心臓が大きな音を立てて跳ねた。
高校生のくせに、なんだか色っぽいんだもの。


一瞬、焦ってしまったけど、なんとか平静を装う。私、パスタがまだ口の中に残ってるけど…会話会話。


「…え、野良ポメラニアン?」






< 97 / 159 >

この作品をシェア

pagetop