おとなりバンパイア
「…って、同じく、って二人は双子なんですか?」
「なんか文句あんのか」
「アリマセン」
いちいち怖いなこの人!
なんで双子なのにこうも性格が違うんだろう。
「あ、えっと、じゃあ最後はあたしですね。橘 叶音、あたしも高2です」
「カノンちゃん…」
真さんにそう呼ばれたので、呼び捨てでいいですよ、って言ったらなぜか首をかしげられた。
「カノン…ってどういう字を書く?」
「えっと、叶うって字に音です」
ぴく、と真さんは眉を少し動かして、驚いたような表情を浮かべた。
後ろの魁くんまで「まじか」と呟いた。
「え、え?なにかあるんですか?」
よくわからない空気に、少し不安になる。
「叶音」
心地よい真さんの声に呼ばれて、自分で呼び捨てでいいと言ったのに恥ずかしくなった。
「は…はい」
「これから話すこと…聞いても驚かないでくれ」
異様な空気に、あたしはごくりと喉をならして真さんの話に耳を傾けた。