逆転LOVER☆






物語は順調に進んだ。

自然と役になりきれて緊張もさほどなかった。






________佐野先輩を見つけるまでは。










薄暗い教室の中でも、

あたしにだけはそこだけキラキラして見えて、

優しく微笑むその笑顔に胸が締め付けられる。







先輩・・・、本当に来てくれたんですね。









「・・・・・・おい。片瀬、台詞。」







「・・・へ??あっ・・・ど、どうしよぅ。」







こんな時に先輩の事考えてるからだ・・・。

どうしよう・・・台詞がとんじゃった・・・。



慌てふためくあたしを見た観客は、

ザワザワし始めてこれまでの空気は一変した。







あたし・・・最低だっ_______…



ぼやけていく視界。




涙がこぼれないようにあたしは強く目を閉じた。




そのとき。









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