逆転LOVER☆
「泣かれると困るんだけど」
そう言ってるけど、
あたしは今何故か三澤くんの腕の中いる。
不器用でぶっきらぼうな言い方______…
だけどこの手は何倍も優しい。
「・・・っごめんなさい・・・」
泣きじゃくるあたしに回す腕が、
少し強くなり時折聞こえる三澤くんの心拍音が心地いい。
「別にいいけど、鼻水だけは勘弁して」
そんな言葉でさえ優しさを感じた。
こんな優しさを佐野先輩にもして欲しかった。
こんな言葉でもあたしを支えるそんな先輩なら良かった。
だけど現実は、
あたしはいつだって捨て駒で、
あたしの代わりになる駒は数知れない。
ただ、その時使える駒を使うだけで、
あたしは先輩の特別でもなんでもない。
あのね先輩・・・、
あたしはそれでも幸せで、
それでも先輩が大好きでした_____…
だけど、もうツライです。