逆転LOVER☆
重なる音。
「美味しかった~!ね!」
初めて友達と過ごした夏休み。
バーベキューを終えた頃にはすっかり夜だった。
まだ微かに残る炭火の匂いと、
時折聞こえる川の音が心地よい。
「これ1回洗わないとダメかも~!誰かお願い!」
「あたし行きます、ゴミもまとめ終わったので。」
使い終えた食器や道具をカゴにまとめ、
あたしは砂利道を歩き川に向かった。
思ったより水も綺麗で、
川の音と自然に囲まれたこの場所の空気が美味しい。
「よいしょ。」
川の淵に持ってきたカゴを置き、
ひとつずつ綺麗に洗い流した。
このくらいで大丈夫かな。
それにしても、気持ちいい・・・。
手の平に感じる冷たさと、
人差し指に貼られた絆創膏を見て、
今日出来た思い出を思い返したら、
自然と笑顔になれた。