逆転LOVER☆
戻ったと思って振り向けば、
そこには頭を抱えてあたしを見る三澤くんがいて、
大きな手が優しくあたしの涙を拭う。
「これもあいつの為の涙?」
上からそう言った三澤くんは、
そっとあたしの体を引き寄せ抱き締める。
佐野先輩とは違う匂い。
少し遠慮がちではあるものの、
その腕からは確かな優しさを感じた・・・。
「ごめんな」
もう終わったと思ってた恋。
届くわけもない、叶うはずも無かった恋。
忘れようとしてたのに、
離れていくあたしを引き止めるずるい先輩。
何度も何度も同じ繰り返しの中、
馬鹿なあたしはそれを信用してしまう。
これが嘘でも、これが夢でも・・・。
そう思ってきた。
だけど、本当の優しさに触れた時、
そんな事考える隙もないんですよね。
この腕から・・・三澤くんの言葉から、
確かな気持ちと優しさを感じたから_____…