逆転LOVER☆
「な~んてね?冗談、冗談。」
・・・・・・・・・はい?
笑いながらそう言った佐野先輩は、
ようやくあたしを解放する。
冗談・・・・・・?それはどこまでが冗談なのですか。
「可愛い子見ると、ついね。」
あぁ。やっぱりそうなんだ。
分かってけど、分かってたのに痛いです。
「佐野 樹、3年。よろしくねむぅちゃん。」
知ってますよ。
あたしずっと見てましたから・・・。
あなたの事が好きで、
あなたとまた出会いたくて此処に来たんです。
「むぅちゃん、またね~」
遠ざかっていく後ろ姿に、
心の中で何度も佐野先輩を呼んだ。
もう少し・・・もう少し隣にいてくれませんか。
今日だけでも・・・・・・、
あたしだけを見てはくれませんか先輩。