相合傘〜黒板のジンクス〜
「耕祐‥すきだよ。‥‥っでも、それはもう幼馴染としての好き。恋愛感情じゃない。だから、耕祐ももう、私に囚われないで前に進んでよ。耕祐はかっこいいからすぐにいい子見つかるよ。私なんかよりずっと可愛くていい子‥。」
「俺は‥」
《ピーンポーンパーンポーン》
耕祐の声は放送によって遮られた。
《3年C組 渡辺 至急職員室に来なさい》
「ほら、先生に呼ばれてるよ。早く行きな。」
耕祐は深いため息をついた。
「ほらっ、なにぼーっと突っ立ってるのよ!早く行きなよ。ほらっ!」と言って私は耕祐の背中を押して廊下に出した。
耕祐は何か言いたそうだったけど、なにも言わずに職員室へ向かった。
ここには私一人だけになったわけだ。