相合傘〜黒板のジンクス〜
「勇‥ごめんね、それから‥ありがとう。」
そして、勇は私に近づき力いっぱい抱きしめた。
この温もりがあったから
私はここまでこれた。
ありがとう
ありがとう、勇
「最後に‥」
「え?‥‥っ⁉︎」
勇の顔が近いと思った瞬間、唇に柔らかいものが当たった。
あまりの急さに思考が一瞬停止した。
「‥‥ゆ、う」
「ごめんな、これが最初で最後の俺のわがまま。」
ここまで、私は勇に我慢させてきちゃったんだ。
「ありがとう。勇」
「ほら、行けよ。耕祐ならまだ学校にいると思うし。」
「うん」
私は走って耕祐を探しに行った。