相合傘〜黒板のジンクス〜


「勇‥ごめんね、それから‥ありがとう。」



そして、勇は私に近づき力いっぱい抱きしめた。


この温もりがあったから

私はここまでこれた。


ありがとう

ありがとう、勇


「最後に‥」


「え?‥‥っ⁉︎」


勇の顔が近いと思った瞬間、唇に柔らかいものが当たった。


あまりの急さに思考が一瞬停止した。



「‥‥ゆ、う」


「ごめんな、これが最初で最後の俺のわがまま。」


ここまで、私は勇に我慢させてきちゃったんだ。


「ありがとう。勇」


「ほら、行けよ。耕祐ならまだ学校にいると思うし。」



「うん」

私は走って耕祐を探しに行った。





< 193 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop