【短】あたしを姫と呼ばないで!?
「にしても、そんなにあたしのチョコなんて欲しいんですか?」
何気なく呟いたあたしの言葉にその場にいた全員は肯定の返事をした。
「もちろんだぞ!」
「そうでなければこいつらもあんな愚かな真似はしないだろうな」
「むしろ姫以外のはいらない!」
「姫の気持ちがた〜っぷり入ったものが欲しいね」
「僕は誰よりも姫、あなたのチョコレートが欲しいですよ」
「あたしとしては驚き半分、嬉しさ半分の答えですね!」
思わぬ答えに、チラリとあたしのカバンの中にある、一応用意していたチョコレートに視線を送る。
……ま、まさかそこまで期待されていたとは。
用意していたとは言え、“彼”以外の分は明らかに義理チョコというか、まぁ……友チョコレベル。
それを! この人たちに! あげるなんて!
“彼”がミンチにされてしまう!!!
最悪な想像に首を振る。
あたしがそんな原因を作ってどうする!
せめて、“彼”の分は他の人たちがいないところで渡せばいいじゃない!!!
そうと決めたら、あたしはカバンを抱え、生徒会室を脱出した。
突然のあたしの行動に、ヒナタ先輩たちはなす術もない
……わけがない。
すぐにあたしを追いかけてくる。
そして冒頭の『ドキッ☆バレンタインのイケメンだらけ♡チョコ争奪戦!』へと繋がったのです。
ふざけるな!
滅びろ!
イケメンンンン!!!