運命の人。~俺様教師と秘密の恋~
私を背負ったまま功太くんは
一目散にゴールに走っていく。
功太くんの背中で
観客席からの視線を感じて
ドキドキ落ち着かなくて。
「お、重くない?」
「ははっ 重くないよ。
それよりスピードあげるから
しっかり掴まってて」
そう言って本当にスピードをあげるから、びっくりして功太くんの首にぎゅっと抱きついてしまった。
パアン!
『ゴール!』
なんとかゴールに到着して、
結果は2位。
「ごめんないきなり、
足に響かなかった?」
「うん、平気。
でも紙になんて書いてあったの?」
「ん?あぁ…」
背中から私を下ろすと
功太くんはその紙を見せようと
ポケットに手を突っんだ。
「あ、紙…落とした」
『本当ですか?
なんて書いてあったかわからないとゴール無効になっちゃうんですよね
口頭で言ってもらえますか?』
隣にいたゴール担当の人にそうやって急かされ、功太くんは渋々口を開いた。
「…【ぼーっとしてる子】って書いてあったかな。」
「ひど~い!!功太くんのバカ!!」
「いや、親睦ウォークで滑り落ちたの思い出して…ごめんごめん」
優しく笑う功太くんを見て、
むっと頬を膨らませた。