運命の人。~俺様教師と秘密の恋~
今二人がそんな話をしてるなんて全く知らない私は玉入れに出場して、
振りかぶって一生懸命かごに入れようとしてもうまく入らくて四苦八苦していた。
「…ぁ」
ふと観客側を見ると遠くの方に将人が居るのが見えて、
隣にはマネージャーの女の子の姿。
あの子とはどうなったのかな。
将人の手を離した私が
そんなこと考えられる立場じゃないけど
「だめだ、
こんなんだからぼーっとしてるとか言われるんだ!頑張らないと!」
ハッと我に返り、玉入れに集中した。
(結果、赤チームの勝利です!!)
「お疲れ様、足大丈夫?」
玉入れが終了して壁にもたれ掛かっていた私を心配して里佳が迎えに来てくれた。
「うん。
でもやっぱり保健室で
テーピング巻き直してもらってくるね」
ついて来てくれようとした里佳にはすぐ次の種目があって、一人で保健室に向かうことにした。
…コンコン
「失礼します。」
保健室は一階にあって、わざわざ校舎に入らなくても行ける場所で結構便利。
今日は体育祭で忙しいのか、
小宮先生の姿は無かった。
保健委員の姿もない。
「…いたたっ」
やっぱり無理してたのかな。
一人になった途端、
地味に痛みが増したような気がする。
「空いてるベッドで
横にならせてもらおう」
靴を脱いで保健室に入り、
二つあるうちのひとつのベッドで横になることにした。