運命の人。~俺様教師と秘密の恋~
静まり返った部屋で一人うとうとしていると保健室のドアが開いた。



「ふふ…っ」

小宮先生の笑い声だ。

戻ってきたんだ!
テーピングしてもらおう、

…て、あれ?


この声は………

………陽一…?



カーテンの向こう側からは
小宮先生と陽一の話声が聞こえてきて。


いつもとなにかが違う雰囲気に
何故か出て行けなかった。



「でも陽一は本当変わらないわね。
その憎まれ口も相変わらずで」


「うるせぇ。

俺もお前がここの保健医になってるとは思わなかった」



和やかで独特な空気。
二人だけの自然な空気。


………二人はどんな関係なの?




「美月」
…カターンッ


「あら、篠崎さん?」


思わずスマホを落としてしまって、
小宮先生と陽一が少し驚いた表情をしながら私のベッドの方を見た。


…盗み聞きしてたみたいで気まずいな…。


カーテンの隙間から私の姿を見つけた
小宮先生が私に歩み寄ってくる。




「…すいません、

ちょっと…横にならせて貰っててっ、
失礼しました」


「篠崎さん!?」




何故か二人の顔が見れなくて
そのままバタバタと保健室を出た。



私が二人の話を聞いていたことを知って
陽一はどんな顔してたんだろう。






二人は前からの知り合い....?

陽一が発した[美月]は、

小宮先生の名前…



二人は付き合ってたりするのかもしれない


何ら違和感のない、
…大人同士。





「………はぁっ………は………」




無理して走った足と胸が

また痛くなった。




< 53 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop