運命の人。~俺様教師と秘密の恋~

お昼休み
里佳に屋上に連れていかれて

「ユメ、
私は賛成出来ないよ」


真剣な眼差しでそう言われた。

付いてきてくれた功太くんは
心配そうに見守ってくれてる。



「相手は幼なじみかもしれないけど
今は教師なんだよ?

絶対ユメが傷つくに決まってるよ!!

なんで将人くんでも、
功太でもないの?

絶対その方が幸せなのに…!」


「里佳ごめんね…」


周りの目を気にしながら、
でもはっきりとした口調で言い放つ里佳の表情からは私を心底心配してくれているのが分かる。


そんな里佳に
愛想笑いとか、話を合わせるとか、
そんなこと出来ない。


ちゃんと今の自分の気持ちを話さないと駄目だ。




「心配してくれてありがとう…。

でも、
今まで気づかない振りしてきた分、
もう自分の気持ちに嘘はつきたくないの。

この気持ちは大事に育てていきたい。

誰に何を言われても
私は陽一の事が好きだから。」



陽一を思うだけで
胸が暖かくて、
ドキドキするけど幸せで。

人を好きになるって
こういうことなんだと
改めて気が付いた。

私の大切な気持ち。


胸に手を当てて静かに微笑む私に
里佳は更に言葉を重ねた。
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