隣の猫くん
私は、藍原くんの目をしっかり見て気持ちを伝えた
「七瀬先輩が猫山先輩が好きって事は、何となく気付いてました。俺、ズルイんです。七瀬先輩が自分の気持ちに気づく前に少しでも俺の方に傾いてくれるの待ってたんです。
七瀬先輩が猫山先輩が好きでも構わないです。
……七瀬先輩の事、好きでいてもいいですか?」
こんなにも私の事を思ってくれる藍原くん
いつの間にか私の目には涙が溜まっていた
「私の事をこんなにも大切に思ってくれてありがとう。色んな気持ちを教えてくれてありがとうね、藍原くん」
「俺とまた今まで通り話してもらえますか?先輩と後輩ですけど、友達みたいな感じで」
本当に純粋な目で見てくる藍原くん
「うん!もちろん」
「そんな泣かないで下さい」
そう言いながら、私の涙を拭う藍原くんの手はとても温かかった
「先輩には、笑顔が1番似合います!だから笑顔に戻って下さい」
ニコッと笑う藍原くん
「ありがとう!時間とってごめんね」
「良いですよ。先輩は、先戻ってて下さい!」
私は、軽く手を振り戻った
帰る私の後ろで、密かに藍原くんが涙を流していたとは、私は知らない