君の隣でクリスマスを祝う
「前作の出版以降、貴女は他の作家にかかりきりになっていたでしょう?」

 確かにあの頃は、他の作家の執筆が大詰めで、作家と共にホテルに缶詰めになったりしていた。
 
 日向とは電話で連絡を取り合うことはあっても、なかなか日向の部屋を訪れる時間まで取れなかった。

「自覚したんです、貴女が突然訪れたあの朝に。僕は貴女が側にいないと何も書けない人間になってしまった……」

 私は、驚きのあまり言葉を失った。ワインの酔いもすっかり醒めてしまっていた。

「木崎さん……これからずっと僕の傍に居てくれませんか?」

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