君の隣でクリスマスを祝う
 私が出勤してしまえば、あとはずっと空っぽだった部屋はがらんと冷たくて、なんだかよそよそしい。

 私は作り付けの小さなキッチンまで歩いて行くと、お行儀悪く着ていた服を脱ぎ捨てる。

 スリップ姿のまま冷蔵庫を開け、缶ビールを取り出し一気に飲み干した。


 カウンターに置きっぱなしの小さな鏡に、化粧が剥げかけて薄っすらくまが浮いた、疲れきった顔の女が映っている。

 私はこのまま、仕事に明け暮れて一人きりで年を取っていくのだろうか。

 どっと疲れを感じ、痩せた自分の体を見下ろす。

 仕事中は戦闘服のつもりのスーツとシャツが、まるで昼間の私の脱け殻のように、だらしなく足元にうずくまっていた。

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